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株式会社アークプランは、サラリーマンが夢を実現するために設立した、小さな小さな会社です。

ペット共生住宅

プライバシーを守れる住宅(特に音の問題)

 ペット共生型マンションで、「隣のイヌがよく吠える」とか「イヌの足音がうるさい」という苦情が多発することは考えにくいことです。お互い様という気持ちが働きやすい、というのがペット共生の一番のメリットなのかもしれません。とはいえ音の問題は、やはりとても気になる点です。

 3階建てマンションに住む親戚の者によると「となりや上の音はまったく聞こえない」そうですが、縁者のひいき目がやや不安です。しかし、管理会社への苦情もないということなので、まずは合格でしょう。
 
壁式鉄筋コンクリート造は、隣戸との界壁も建物を支える構造壁ですので(一住戸が小さい場合、構造壁は2住戸ごと、つまり隣り合った住戸の境界は普通の界壁という場合があるようです)特に隣戸からの音の侵入を防ぐ上では優位性があると思います。

 5階建てマンションでは、ひとつのフロアーにエレベーターホールを隔てて向かい合う、2戸だけの配置になっています。

 2〜5階のレイアウト

 この結果、バルコニーをはじめとした開口部も離れましたので、たとえばベランダに出たイヌが吠えたとしても、隣同志はかなり軽減できると思います。また、明るく風通しのよい空間になりました。  

 問題は上下の音です。まずは重衝撃音。しかし、これを解決するには多くの問題がありました。コスト面に加えて、耐震性や天井高も関係してきます。結果として、スラブ180ミリにレベラー10ミリ、はりに囲まれた面積は最大約25u、直天井、直床でリビングと寝室の室内高が260センチということになりました。

 実際に試してみると、かかとでドカンドカンと踏み鳴らすと下の階でその音が聞こえてきます。残念ですがあとは実際に住まわれる方の心配りに期待します。(間取りは、ご夫婦お二人での入居を想定しました)  

 次は軽衝撃音です。自宅の一部屋リホームの際、ペット用クッションフロアーを実験的に使ってみました。ペットが滑りにくく(ケガを防げる)、消臭効果や爪による傷防止効果も、というのが売り言葉です。しかし実際に使ってみると、最初に気づくのが足音の変化です。

 フローリングの上をイヌが走ると(特に爪が伸びていると)「カシャカシャ」という独特の音がしますが、クッションフロアーの上では、その高い部分の音が消えて柔らかい感じになり、音も少し小さくなります。
 この効果を狙って、すべての床をペット対応のクッションフロアーにしました。質感はやや劣りますが、音の問題を少しでも軽減できるうえに、ペットにも快適ならと考えました。(本当は、絨毯敷きが一番良いのですが、イヌの毛との果てしない戦いを考えると踏み切れません。)

 ペット対応クッションフロアー

 なお、ペット対応クッションフロアーが滑りにくいというのは本当で、イヌの動きを見ると、フローロングと違うのがよく分かります。たぶんイヌたちは「ここは歩きやすいし、走りやすいわ!」と言っているのだと思います。(ペット用ワックスというのがありますが、これも多少は効果があります)

 戸建て住宅では、もともと大きな問題にはなりにくいのですが、高気密という点は、鳴き声が屋外に漏れるのを抑える効果が期待できます。またこの住宅、2階はすべて絨毯敷きが標準装備だったのですが、主寝室を残して、やはりペット対応クッションフロアーに変更しました。

 絨毯仕上げの主寝室 イヌの毛が大変かも?  

 マンションの音対策は、人間にとっても重要なポイントですが、抜本的な解決は本当に難しいと感じます。心苦しいところですが、お互いが少しづつ気を使っていただけることを願っています。


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火災について

 最近の住宅は、いずれも素晴らしい防火性能を持っています。ここでは、建物自体の性能とは違う視点から、火災予防について触れてみます。

 まず「火事は、建物が燃えるのではなく、建物のなかにあるものが燃える」ということが、大切なポイントになります。「マッチ一本火事のもと」は昔からあるコピーですが、家の中に何もない状況、たとえば新築の住宅や借りたばかりのマンションでは、マッチ一本どころか、マッチが一箱あっても火事はおこせません(障子などがあると、少し状況は変わってきますが)。

 火事は、家が燃えるのではなく、家の中にあるものが燃えておこるのです。これは、消防職員の多くが実感として持っていることだと思いますが、火災を消火したあとの現場で「よくもこんなに物があるものだ」と感じることが多くあります。特に、乱雑に散らかった状態が最も危険です。火災予防の第一歩は、家の中の整理整頓にあると思います。

 鉄筋コンクリート造のマンションについて。マンションの区画(一つの住戸を囲む壁、床、天井、玄関ドア)はとても頑丈で、破られることはほとんどありません。つまり、延焼する可能性は、極めて低いと考えてよいと思います。まれにあるのは、バルコニーに多量の可燃物(たとえばタイヤ)が置かれた状態などで、バルコニー経由で上の階に延焼することです。

 マンションは、延焼の危険性が低い反面、その区画からの脱出経路は、玄関とバルコニーに限られます。バルコニーの適切な管理は、万一のことを考えればとても重要なことです。

 消防用設備について。消防用設備には様々な種類がありますが、特殊な用途を除いて、有効度の高いものは、消火器、自動火災報知設備、スプリンクラー設備の3つです。このうち、一般の住宅やマンションに設置されているのが、消火器と自動火災報知設備(住宅用火災警報器)です。

 どちらも、万一の時はとても役に立つものですので、必要な点検を怠らないようにするべきです。また、設置されている例は少ないのですが、屋内消火栓設備は、地震等で水道が使えなくなったときの生活用水の確保に、有効に活用できると思います。電気さえ復旧すれば、どんな上階にも生活用水を供給できるのですから。

 本来は火災の消火のための設備ですので、消防署は渋い顔をするかもしれませんが、管理組合などで、非常時における活用方法を考えておくことも必要だと思います。 

(5階建てマンションでは、階段区画の防火戸にファイアーガラスを採用しました。エレベーターホールの雰囲気を明るくするのに大変効果があったと思いますが、同時に、万一の場合、消火活動にあたる消防隊員にとってもありがたいものです。向こう側が見えない扉を開けるのは、結構怖いですから。)