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酪農は難しい

 大好きだった川が、牛の糞尿のものと思われる異様な臭気に包まれてから、酪農のことを少しづつ調べてきました。あくまでも素人考えですが、酪農はとても難しいです。

   北海道の東部は、我が国最大の酪農地帯です。飼育されている牛の数は何十万頭にも及びます。しかし、この地域を旅される方が、緑の草原でのんびりと草を食む牛の姿を見ることは、案外少ないと思います。
 場合によっては、一度も見ることがないかもしれません。

 現在の酪農は、大きな牛舎の中で牛を飼育する方法が主流になっています。良質な牛乳を大量に得るうえで、効率が良いためです。
   いくつかの方式があるのですが、いずれにせよ酪農家の皆さんが一番苦労されているのが、牛の糞尿の処理だそうです。

 「スラリー」という言葉をご存知でしょうか。酪農の世界では、牛の糞尿が混ざり合った液体のことを言います。毎日大量に発生する牛の糞尿を巨大なタンクに貯蔵しておいて、それを、専用の車両で牧草地などに肥料として撒きます。通常、春先と秋に撒くそうです。この地域で、いわゆる「田舎の香水」の特に強烈な洗礼を受けた旅人は、そのスラリーの散布にあたったのでしょう。  

 

 ただし、冒頭にある川の異臭事件は7月のことでした。これは推測に過ぎませんが、なんらかの事故で貯蔵中のスラリーが漏えいし、川に流入してしまったのではないかと思います。もともと水量のある川ですから、大変な量のスラリー流入だったはずです。

 事故がなくても、牧草地に散布されるスラリーがすべて土の栄養素として留まっている保証はありません。天候によっては、一部がそのまま川に流れこんでしまう可能性は否定できないと思います。酪農家の皆さんは、慎重に時期を選んだり、その他いろいろな対策を講じています。

 素人がこれ以上深入りはしませんが、とにかく酪農家の皆さんの苦労は大変なものだと思います。肉体的なものだけではなく、設備投資も莫大なものでしょう。その割に、スーパーで並んでいるパック入りの牛乳は、安すぎると思いませんか? うっかりすると水より安いです。

 スーパーの飲料品置き場の前を通ると、斉藤牧場と、北海道東部の牛のいない広大な牧草地の姿が頭に浮かび、なにか割り切れないものを感じてしまいます。

 もうひとつ、大切なことがあります。それは、やはり森林のことです。

  河畔林です